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活動報告:2005年

第23回「ヒロシマから教育を考える」
2005-01-29
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■2005年1月29日 広島県
(1)講演「最近の教科書問題にどう対応するか」(高嶋伸欣)
(2)ライブ 坂田明さんと吉野弘志さん
 
 
1月29日、広島・ワークピア広島で第23回教育文化フォーラムIN広島「ヒロシマから教育を考える」が開かれました。

講演は、高嶋伸欣・琉球大学教授「最近の教科書問題にどう対応するか」。その後、坂田明さんと吉野弘志さんによるライブステージがくり広げられました。

200人近い聴衆への高嶋伸欣さんの力強い語り。「最近の教科書問題にどう対応するか」という主題で、70年代、80年代、90年代の動きを鋭く、かつ、実践や体験に基づく鮮やかな切り口で読み解き、教育基本法改定、教科書問題そして改憲をめざす政治的動向を明らかにした講演でした。
敗戦後、日本は主権在民社会をめざし、その定着に教育も大きな役割を果たしてきた。しかし70年代の保革伯仲状況に対する保守派の危機意識をベースに、80年代に入って教科書に対する迫害が始まったのである。

憲法改定の思想的潮流を形成する教科書攻撃や「新しい歴史教科書」による神話重視、ジェンダーバッシング、「家族制度」復活のもくろみを具体的な教科書の記述の実例と豊富な資料で矛盾を明らかにした講演に聴衆もうなずき、呼応していた。

教科書を「教師が教えるための材料としてとらえるのではなく、子どもが学ぶための材料」として捉え、子どもに「社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い」(学校教育法42条3項)という21世紀型教育の原理を踏襲した教科書が出版されてきているのに、それに逆行する「新しい歴史教科書」の押しつけ型・洗脳型の教科書こそ、時代遅れで、もっとも学習指導要領に反している、と訴える。

ヒロシマから日本を変えるという静かな情熱がほとばしる講演に聴衆は魅了された。講演に続く坂田明さんのサックスと吉野浩志さんのウッドベースのセッションは、「矛盾に屈するな」と訴え、遠くの小さな変革のうねりを大きな波に変えて行く、行こうという応援歌でした。

※ 記念講演の内容は「教育と文化」40号に収録されています。
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