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第12回教育研究所交流集会
2009-11-28
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第12回教育研究所交流集会

2009年11月27日、日教組各単組、単組立研究所、教育総研の研究活動に関する交流とネットワーク形成強化などを目的に『第12回教育研究所交流集会』が開催された。  まず、教育総研嶺井正也所長から、教育総研の運営と研究活動の報告がされ、続いて、山形国民教育研究所と静岡県教職員組合立教育研究所のとりくみが報告された。

山形国民教育研究所(「山形民研」)は1960年発足。設立趣旨は、「北方地域の教育実践のうえにたち 国民による、国民のための、国民の教育をうちたてるために ひろく学者、文化人、教師、父母の協力のもとに 民主的な諸団体と手を結び 今日的な教育研究のセンターとして 研究し 研究、調査をおこなう。」である。齋藤たきち所長から研究所の成り立ちと山形民研の性格・運営が報告された。 実は齋藤さんは研究所発足時に「青年」代表として運営委員になった方である。山形民研の設立趣旨にあるように、教職員だけでなく民間人がずっとかかわっている。多様な見方や研究が可能となり、しかも地域とも密接につながれるというメンバー構成は、必然的に山形民研の性格をあらわしている。研究所の古い所報も持参され回覧された。現在も、日が昇り日が暮れるまで毎日農作業をしているという齋藤さんの、「作物は黙っているけど成長する。言葉を発しないものとの共存は大変だが、発しない言葉を受け取りながら一緒に生きることはすばらしい。」という含蓄のある言葉が心に残った。 齋藤さんに続いて、伊藤充弘事務局長から、現在行われている3つの研究(①「山形の子どもの学びに関する課題」②「教職員評価に関する課題」③「特別支援教育等に関する課題」)が報告された。研究所では、現場とのつながりを作るため、今年度から県教研の中で「特別分科会」(今年度は②と③がテーマ)を設置。教研参加者はどちらかにかならず参加するという方式をとったという報告が印象に残った。 静岡県教職員組合立教育研究所(「静教組立教育研究所」)からは、細川幹太所長と静教祖の平野恵司さんが報告された。 静教組立教育研究所は「調査部」と「研究部」に分かれている。どちらも、各支部から推薦された所員と共同研究者(研究者・学識経験者)によって構成されている。研究が空論におわらず、教職員にとって役立つものをめざしながら"教育のあるべき姿"や"子どもや学校にとって大切なことは何か"について正面からとりくんでいる。 当日は研究の成果物として、「平和教育」「わたしたちがつくる未来の教育」「いっしょにつくろう、子どもの権利条約の根付いた学校」が配布された。これらは手にとれば明日からでも使える非常に実践的なものであって、現場の要求をよく満たしている。調査部の成果物では、「『子育てと学校教育に対する保護者の意識調査』報告書」が配布されたが、これもすばらしい。継続的に調査をするというのは研究所の役割の一つだとあらためて思った。 研究の部である「未来の教育を考える会」では報告書だけでなく、より具体的な課題について議論を深めるため、各地でミニシンポジウムを開催している。ここでは研究所が学校と地域の人々とのつながり役をしている姿が浮かび上がった。 静教組立教育研究所のとりくみについては、ぜひhttp://www.stu.jp/をご覧頂きたい。  この後、教育総研と二つの研究所の報告について参加者と意見交換をした。 「子どもの権利が浸透しないのは学校のあり方に問題があるからではないか。学力向上に特化されていることが問題」「学力に特化されている」「教育振興基本計画には子どもの視点がない」「子ども同士の関係性が大切」などの意見が出た。こうしてあらためて子どもの権利条約の意義が共有された。また、「研究成果をどのように教職員一人ひとりに伝えていくか」といった研究所のとりくみを現場にいかに還流するかという課題が多くの研究所から出された。 教育総研の活動では「出前講座」が評価された。最後に、「若い人たちを集めるにはやはり教育課題を中心にすえて」ということで、今年度新しく設立された岐阜教育文化総合研究所の所長の設立趣意をうかがい、参加者皆が力を得て、集会は終了した。
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