教育総研は、教育・文化や教育運動のあり方について幅広い研究を積み重ね、同時に学校現場の課題を意識しながら、今日的視点にたった政策提言を行っています。

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活動報告

 

活動報告:2011年

活動報告:2011年
 
第41回夜間公開講座「福島原発震災が意味するもの」
2011-11-09
第41回夜間公開講座のお知らせ

「福島原発震災が意味するもの」
      -未来のみなさんへー

日時:2011年11月28日(月)18:00~20:00
場所:日本教育会館8階 第2会議室
               千代田区一ツ橋2-6-2 TEL 03ー3230-2852(代表)
主催:財団法人 日本教育会館
後援:国民教育文化総合研究所
講演者:山口 幸夫さん(原子力資料情報室・共同代表、物理学)

◎入場無料
◎申込不要


ここは21世紀に処分された放射性廃棄物の埋蔵場所です。
決してはいらないでください。
あなたを守るために、地中深くに埋めました。
放射性廃棄物は大変危険です。透明で、においもありません。
絶対に触れないでください。
地上に戻って、我々より良い世界を作ってください。
幸運を。
(マイケル・マドセン『100,000年後の安全』、2009年)

  これは空想の世界ではありません。
私たちの世界が直面している現実です。
ひとの一生はたかだか100年です。
しかし、科学と技術が生み落とした原子力発電という方式は、
十万年の不安を伴っていました。
  3・11福島原発震災は防ぎ得なかったのでしょうか。
いま目の前にいる子どもたちは、まだ見ぬ子どもたちのために、
わたしたちに出来ることは何か、考えてみたいと思います。
 
教育総研設立20周年記念集会
2011-10-25
  国民教育文化総合研究所(1992年8月1日開所)の設立20周年記念集会が、さる7月29日に千葉県浦安市で開催された。記念集会は2部構成で、はじめにOECD事務総長教育政策特別顧問のアンドレア・シュライヒャーさんから、「PISAから見た21世紀の教育」と題してご講演をいただき、次に
シュライヒャーさんもパネリストの1人としてパネルディスカッションが、教育総研所長の嶺井正也さんをコーディネーターに、パネリストに福田誠治さん、筒井美紀さんを迎えて行われました。

  Ⅰ、記念講演 「PISAから見た21世紀の教育」
                                        (アンドレアス・シュライヒャ-さん)

  シュライヒャーさんは今回の日本での滞在日程に東北地方への訪問を予定されていた。具体的には岩手県に入り、教育長と懇談する中でOECDとして中長期的に支援したいと述べています。 震災の実情などを聞くなかで、教員が命をかけて子どもたちを救おうとしたことに感動すると同時に、教員の仕事の線引きの難しさゆえに教員自身が疲れ果てている現実へのサポートの必要性を訴えました。
  そして、この震災後においては、これまで言われてきた「生きる力」の育成という教育の目的も、その意味がちがったものとして具体的にあらわれてくるのではないかとも発言されました。
  つまり、ひとりの市民として、社会の団結をいかに実現していくか、そのようなソーシャル・スキルが重要になってくるのではないか、と。
  震災に関するお話の後、これまでのPISAの結果などを参照しながら、21世紀の学びのあり方について話をされました。
  (なお、以下の文中の小見出しは、まとめる上で便宜上付けたものです。パネルディスカッションのまとめについても同様。)

  1、求められる「学力」とは

   まず前提として、学びは学校だけでなされるものではないということ、教員は知識を提供するのみではないということ、そして、子どもたち一人ひとりがそれぞれに才能をもつていることを前提として、多様な教授法が必要になるだろうということが確認されました。そして一人ひとりの能力を開花させる公平・公正な教育のあり方をどう描けばよいのかが、いま問われているのだということが述べられました。
  では、いまどのような力が人間に求められているのか。
  現実問題として、単純な手作業・知的作業は求められることが少なくなり、分析的作業や相互作用的な作業が求められている、つまり、関係をつくり協力していく力が求められているのであり、異なった文化にいかに対応していくかが問われているわけです。必要な情報等はある程度はインターネットで手に入れることができます。大切なことは、それらの中から何が重要かを見極める力なのです、とシュライヒャーさんは強調します。
  急速に変化する世界の中で、さまざまな問題を自分との関連性において見極め、自律的に動いていく力が必要になっているのであり、そのための教育制度の改善は国内基準だけではなく、国際的な視点で成果をあげている例に学ぶ必要があると述べ、日本の場合、ともにPISAにおいて成果をあげている国であるけれども、韓国よりもフィンランドに学ぶものが多いのではないかと述べています。
  このような学力観の転換に関して、シュライヒャーさんは数学の例を出して説明されました。
  かつては、方程式や定理を覚えることが中心だったかもしれないが、いまは、それらの知識を現実の問題にどう適用するか、その問題の性質を数学の問題に置き換えて考えることができるかどうかが問われているのだ、と。「これは幾何の問題」、「これは代数の問題」といったように領域を区切るようなものではないのだ、と。結果として、計算のスピードが以前よりは遅くなったかもしれないけれど、それよりも知識の応用が大切なのです。既成の知識の再生ではなく、新たな状況にその知識をいかに応用できるか。
  かつては一部の人が学べばよかったかもしれませんが、21世紀はすべての人が、上のような意味で学ばねばならないのであり、シュライヒャーさんはこれまで社会はずいぶんと人材を無駄にしてきたと指摘します。社会的な平等性の上に、ひとりひとりの能力をいかに開花させるか。その点でシュライヒャーさんは、韓国のやり方は、得点だけに着目すれば上位かもしれないけれども、エリートに資源を集中したために、社会的な不平等が増してきているとみています。

  2、教員の質こそ大切

  このような学力観に基づく教育政策が求められているわけですが、具体的にはどのような予算の使い方をするかという点が問われてきます。少なくともPISAの上位の国は、教員の質を重視し、専門職としてその労働条件の改善に力を入れているとのことです。
  フィンランドでは、多くの学生が教員を志望している現実があり、シュライヒャーさんはこのように魅力ある仕事として教員が位置づいていることを高く評価し、同時に専門職として裁量権をもって学校主導で教育改革を遂行している点を紹介しています。教員の共同研究等の横のつながり(学校間のつながり)も重視しています。
  一方で、日本で話題になることが多い一学級の人数(つまり少人数が望ましいとの見方)の関しては、子どもたちの能力開花という点で必須であるとの位置づけはしませんでした。それよりも、教員の質重視とのことでした。

  3、日本の評価 

  日本ではPISAの得点ばかりが話題にされますが、シュライヒャーさんによれば、ここ10年ほどの間、日本のスコアにはほとんど変化はなく、むしろ、従来のような既成の知識の再生という能力ではなく、自由記述方式への回答にみられるように、知識を深いところで理解し、その応用の力に関して改善の度合いが高いと評価しています。読書に関しても、日本では、楽しみで本を読む子どもたちの率が上がってきているとのことです。
  シュライヒャーさんは、PISAとは教育制度についての情報を共有できる強力なツールだといいます。求められるのは、継続的な学ぶ力を重視する、すべての子どもの成功を導く制度です。ここでは多様性はチャンスととらえられ、分けるのではなく統合された学びが追求されていくことになります。

   Ⅱ、パネルディスカッション「PISAから見た21世紀の教育」

  シュライヒャーさんのご講演を受けて、嶺井正也さんをコーディネーターに、そして、シュライヒャーさん、福田誠治さん(都留文科大学教員)、筒井美紀さん(法政大学教員)をパネリストとして、ご講演の内容を深めていきました。ここでは、どのような議論があったのかを、シュライヒャーさんの発言を中心にして簡単にまとめます。
  なお、シュライヒャーさんの考え方については、教育総研編集の『教育と文化』第60号(2010年7月)に「21世紀の学びの実情」と題してご本人の原稿(日本語訳)が載せられていますので、ぜひご参照ください。

  1、 OECDの社会像・人間像

  まず、福田さんからは、PISAは「いままで何を学んだか」ではなく、「これから何ができるか」を測ろうとしているのだと指摘し、何のために学ぶのか、その哲学がいま問われているのではないか、また、筒井さんからは、PISAが測れていない能力とは何か、また、講演で述べられたような学力観の転換が大学入試と結びつかない限り、なかなか日本の学校現場では理解が得られないのではないかとの発言があり、
  これに応えて、シュライヒャーさんから、はじめに、OECDのもつ社会像・人間像の説明がありました。次の3つが社会としての成功の要因になるとのことです。

    ① 生徒が社会文化的なツールを正しく操れるかどうか。
    ② 個人として自律的に行動できるかどうか。
    ③ 他者とともに生きることができるかどうか。

  そして、講演でも述べられていたように、知識の蓄積自体の価値は下がってきていること、明らかになった知識を社会として集団的に共に使っていくことが大事になっていること、すべての人が社会に参加することの必要性が語られました。

  2、なぜ測定するのか

  また、PISAは何を測定しているのかという点に関しては、まず前提として、ごく小さな部分しかはかれていないこと、テストという形式も一つの手段にすぎないことの理解が重要であるとした上で、それでももっと多くのものが測れるのではないかと考えていること、テストという方法ではなく観察という方法も開発が必要であることなどが述べられました。
  そもそも、なぜ「測る」ということが大切なのか。これについては、見えないものは改善できないから、との理由が述べられました。
  ただし、「テスト文化」は変えていかなければならない課題であるとされています。アメリカやイギリスなどはテスト準備をしても、結果としてそれほど結果は伸びていないのであり、創造的に知を使うこと、テストと教科書との関係を断ち切ることも必要になるとのことでした。

  3、PISAが測っているもの 

  テストといえば、日本では当然のように個人の能力が測られているのだと前提するけれども、シュライヒャーさんによれば、PISAの設計は、個人を測っているのではなく、統計上の問題として、教育制度の改善のために全体としての傾向を測っているのだと注意を述べました。
  つまり、「個人には関心がない」というわけです。なぜなら、それぞれの子どもたちのことは教員がよく知っているのであり、PISAの必要はないからです。PISAは全体像を明らかにするためのものなのです。
  PISAが示しているのはあくまでも平均像なわけですが、しかし、PISAの方法に関しては、個人の生活経験がテストの点数に反映されてしまうような設計になっている点、つまり、日本では、テスト内容が生活から遊離したものになることで客観性を担保することが発想されるが、PISAはそうではない、この点をどう考えればよいのか。
  これに対しては、PISAはそのような意味での客観性はある程度犠牲にしているとのことでした。実生活での経験の積み方を問うているわけです。

  4、障害児をどうとらえているか

  PISAが集団的パフォーマンスを測定するということに関して、コーディネーターの嶺井さんからは、障害児の存在をどのように位置づけているかとの質問が出されました。
  シュライヒャーさんは、そのことの分析はすでになされているとして、結論として、インクルージョンの方向性を示しました。つまり、たとえば、留年制度があれば、学業成功に対する社会的背景の影響力を大きくしてしまうと同じように、障害児を分離すれば、学びに対する障害の影響を大きくしてしまう、と。国により違いがあるとの注釈つきではあったが、インクルージョンのほうが、障害が学習の成功に与える影響は少ないとの分析が紹介された。なお、格差という点でいえば、日本は社会経済的影響が学校間格差として大きくなっているとの指摘があった。

  5、PISAの今後

  さて、議論が進む中でPISAの今後に話が及んだ。PISAは対人関係や個人内部のことは測れないとしながらも、 シュライヒャーさんは測定できないものは少ないとの考えを示し、2012年の調査の時には、子どもが問題と相互作用し、問題自体が変化していくようなダイナミックな問題解決のあり方を導入したいと述べ、また2015年には、集団をベースとして協力する力、社会的な力をみるような問題解決も考えていることが披露されました。
  しかし、これにはPISA参加国の合意が必要であり、PISA自体のあり方も今後ますます進展していくだろうとのことでした。

  6、社会の「成功」とは

  このような集団としての力の測定は、かねてからPISAが目指していた方向性でしたが、そこで前提とされている変化した社会における個人像はいわば「強い個人」なのではないかとのコーディネーターからの問いかけに対して、 シュライヒャーさんはっきりと次のように反応していた。
  つまり、社会の成功とは個人の成功の総和ではない、自分のために知識の蓄えても、他者と共有し、まわりに広げていかなければ意味がない、誰かが偉大な発明をするというよりも、知的リソースの活用が問題になっているのだ、と。
  このように大きな視野からの「成功」のイメージだとすれば、筒井さんから指摘があったように、教育制度のみではなく福祉の問題や貧困の問題としてPISAが目指しているものをとらえ返す必要も出てくる。シュライヒャーさんは、不平等が次の世代につながらないような、貧困の影響を緩和するような制度の工夫が必要だと述べ、この点に関するフィンランドやカナダの例を評価していました。

  7、教員の質に投資 

  ところで、教育の質は教員の質にかかっている、という点は講演でも強調されていましたが、ここでも教員の能力開発の機会が不可欠である点や理論と実践を結びつけることの大切さが指摘されました。学級の子どもの数に関しては、少人数が効果がないというのではないが、資金の使い方として、すべてを一度に改善していくことはできないので、よりよい結果を得るためにまずやるべきは、教員の質に投資するということでした。

  おわりに -PISAの意義- 

  このパネルディスカッションを通して、会場に集まった多くの教職員に、PISAが何を問題とし、何を測っているのか・測ろうとしているのか、そしていま「学力」はどのように捉え直されようとしているのか、その基本的な部分がよく伝わったのではないでしょうか。
  どうしても、測定結果にばかり気になってしまい、その数字自体が神格化され、絶対視され、その向上が「学力」の向上であるかのように思いこんでしまうのが、今の日本の状況でしょう。
  最近ではよく「エビデンスが大事だ」といわれるけれども、筒井さんが指摘するように、それは統計を示すことで終わるものではなく、それを基にして議論をしていくことなのです。何かを単に継承しそれを再現してみせる能力の育成が教育に求められているのではなく、協調性を大切にしながら何かを生み出していく力が求められているのですから、数字を出して終わりなどということにはならないはずです。
  また、福田さんが指摘するように、PISAは新しい学力観を提示したわけです。競争ではなく協力を基盤として、集団の力に着目するわけです。とくに、平等と質がつながることをデータで示したのがPISAだったのであり、競争すれば学力が上がるという考え方をひっくり返したわけです。
  そして、嶺井さんの言うように、他者と知を共有する社会で求められるリテラシーが問題となっているのです。
 
教育総研第21回夏季研究集会
2011-10-25
  今年は教育総研設立20周年にあたり、7月29日に千葉県浦安市で20周年記念集会が開催され、翌日の30日に教育総研第21回夏季研究集会が開催された。
  夏季研究集会では、第1分科会「東日本大震災と教育復興に向けて」、第2分科会「PISA報告から見た日本の教育の課題」、第3分科会「教員研修の課題」、第4分科会「労働法と労働教育」のテーマで、討議と交流が行われた。


  (1)第1分科会「3・11東日本大震災と教育復興」

        運営 桜井智恵子(大阪大谷大学)
        報告 山口 幸夫(原子力資料情報室)
        報告 神崎 初美(兵庫県立大学)

  研究者の山口幸夫さん(原子力資料情報室)から「原発と教育の関わり」について報告された。福島での原発事故に触れ、学校での学びに必要なものは技術優先(利便性)に陥らないためには「基礎」以前の「基本」が大切。基礎と基本は違う。基本は、人と社会のあるべき方向に基づくものであるなどと述べた。また、参加者からは、「安全神話を推し進めている理科教育のあり方を深刻に受け止めざるを得ない」との厳しい意見もあった。
  神崎初美さん(兵庫県立大学)からは、「東日本大震災と教育復興 看護の立場から」との報告を受けた。災害などに遭遇した場合、自ら状況を考えて判断する意思決定能力を養うことが大事。被災地では仮設住宅に住み、「孤独死」なるケースも見られる。そうならないように人と人の結びつきを強める、そのためには「共助」が必要であり、その関係を作り出す教育が大切であると述べた。


  (2)第2分科会「PISA型読解力、学習指導要領改訂と学力調査」

        運営  嶺井 正也(専修大学)
        福田誠治(都留文科大学)
        報告  末藤美津子さん(東京未来大学)

  前日のアンドレア・シュライヒャーさんの講演とパネルディスカッションに対する感想を交えて参加者全員が自己紹介をした後、福田誠治研究会議員・PISA対策プロジェクトチーム座長から「PISA型読解力、学習指導要領改訂と学力調査」についての基調報告が行われた。また、プロジェクトチームメンバーの末藤美津子さん(東京未来大学)からPISA2009のアメリカでの影響について報告が行われた。
  討論では、PISA報告への賛否だけでなく、今年度の全国学力調査が中止にもかかわらず、各都道府県で悉皆の学力テストが実施されていることへの批判や、PISA型読解力による読書が重視され、子どもたちが読むべき本が多数、教科書で取り上げられるようになったことへの疑問も多く出された。


  (3)第3分科会「教員養成・採用・研修の改革をどう考えるか?」

        運営  広田照幸(日本大学) 
                    市川昭午(国立大学財務経営センター名誉教授)

  中教審の「教員の資質能力向上特別部会」での教員養成・採用・研修を一体としたトータルな改革案の議論をうけて、「教員養成・採用・研修の何が問題なのか、何を大切にしていかなければいけないのか」などについて、2011年春におこなわれた「教員調査」の結果が報告され、教育総研が独自にまとめた「制度改革の提案」について提案もあり、「教員養成・採用・研修」の問題や課題について議論された。
  議論では、「教員の専門性をどう考えるのか」、「4年制を基本とし、開放制を維持し、現職研修・研究制度の充実をめざす」、「10年目研修と教員免許更新制の両方を見直し、新たな現職教員の研修・研究制度に発展・統合する」などについて、参加者からの意見がだされた。

  (4)第4分科会「『キャリア教育』と『労働(法)教育』
                                           -無防備なまま生徒を卒業させないためにー」
        運営  石井小夜子(弁護士)
                    池田賢市(中央大学)
                    筒井美紀(法政大学)

  「今、いかに多くの生徒や学生たちが、雇用・労働の知識をもたないままに進学・就職しているのか」、「フリーターやワーキングプアになる若者は、甘えや努力不足が原因だ」と思う生徒・学生はどのような特徴をもっているか」、などの高校や大学等での調査データを読み解き、参加者の学校との比較などをしながら、「わが校、わが地域でいかなる労働(法)教育にとりくんでいくのか」について、問題が提起された。
  その後、3つのグループで、多くの生徒や学生たちが雇用や労働の知識を持たないまま進級、進学、就職している現状について話し合い、全体での討議につなげた。
 
第14回教育研究所交流集会
2011-10-25
  2011年9月17日、日教組各単組、単組立研究所、教育総研の研究活動に関する交流とネットワーク形成強化などを目的に「第14回教育研究所交流集会」を開催しました。
  交流会では、まず、嶺井正也教育総研所長から、教育総研の運営と研究活動などが報告されました。続いて、①いわて教育文化研究所、②ちば県民教育文化研究所、③熊本県教育文化総合研究所から、それぞれ活動が報告されました。

①いわて教育文化研究所(いわて教文研)
   吉田矩彦事務局長より、2005年5月の岩手高教組大会での設立決定以降の活動経過などが報告された。さらに、近年の活動として①資料センターとしての役割を担いつつ、これまでの岩手高教組定期大会・中央委員会、高教組情報などのデジタル化をすすめる。②研究委員会の活動として、「教育行財政研究委員会」「公害環境保護調査委員会」「平和教育研究委員会」「学校図書館研究委員会」「インターハイ小委員会」での、とりくみの重点について報告された。
  また、3・11東日本大震災について、学校や子ども・生徒たちへの被害の状況や支援活動などについても報告された。 

②ちば県民教育文化研究所
   葛生毅事務局長より主な活動として、①民主教育推進のための教育研究活動の推進。子ども、教職員、地域住民の芸術文化活動の推進・支援。③教育サービスセンターとして、教育情報の発信や提供、各種調査活動の推進。などが報告された。
  また、研究推進委員会では、「私たちの学校教育改革」をテーマにした研究の推進。「平和・環境教育推進委員会」では、「平和・環境教育実践レポート集」の作成と青年部を中心とした「平和のための県外視察」のとりくみなどが報告された。

③熊本県教育文化総合研究所(熊総研)
   今村良博事務局長より、「熊本県教組のシンクタンク的役割」を果たす、熊総研の活動が紹介された。1990年代には、「大量の脱退者と進まぬ新規加入」という厳しい組織状況の下で、教育文化活動の後退などの経過が報告された。さらに、2000年度からの「かわりますKTU」の提起などによる、組合活動と教育文化活動のあり方の議論が紹介された。


  続いて、各単組立教育研究所の参加者から、とりくみの報告が行われた。北海度から沖縄までの各研究所でのさまざまな活動が報告され、交流が深められた。
 
キャリア支援と労働法教育シンポ
2011-10-24
法政大学大学院経営学研究科キャリアデザイン学専攻シンポジウム

            /進学相談会

           キャリア支援と労働法教育-地域連携の可能性と模索ー

2011年11月12日(土)13:30~16:20(シンポジウム) 
                                           *終了後、進学相談会
  法政大学市谷キャンパス 外濠校舎S505  
                             *進学相談会 外濠校舎S404
                    入場無料/セミナーのみ要・事前申込(定員150名)

      <お問い合わせ>
      〒162-0843  東京都新宿区市谷谷田町2-15-2 
法政大学 大学院課
           ℡:03-5228-0551~0552  E-mail:hgs@adm.hosei.ac.jp 


  加速するグローバル経営のもと雇用環境は激変し、若者支援の充実が喫緊の課題となっています。在学時のアルバイト先や卒業後の就労先において、労働者の権利が蔑ろにされたまま、そのことを知らないままの若者がどれほど多いことか、----|悲しいことに、私たちの想像を超えています。
  現実体験に根づいた労働法の学びの充実がなくては、若者が「キャリア形成の底力」を養うことは難しい時代なのです。
  この課題への対処は、学校・大学内部の資源だけでは極めて困難で、地域連携が不可欠でしょう。では、何処にして? 自治体や国の機関、NPO、地域のボランティア、人材ビジネスといった多様なアクターにできることは? 
このシンポジウムでは、地域連携に尽力しながら、若者のキャリア支援と労働法教育の一体的展開を進めている、現職の高校の先生を講師にお招きして、課題を共有し考察を深めていきます。
 
第40回夜間公開講座 「東日本大震災とこれからの減災教育」
2011-06-09
第39回夜間公開講座のお知らせ

東日本大震災とこれからの減災教育
~私たちは今から何ができるのか~

日時:2011年6月28日(火) 18:00~20:00
場所:日本教育会館 8階 第2会議室
         千代田区一ツ橋2-6-2 TEL 03-3230-2852(代表)
主催:財団法人 日本教育会館
後援:国民教育文化総合研究所
講演者:神崎 初美 さん(兵庫県立大学地域ケア開発研究所教授)

◎入場無料
◎申込不要

  3月11日14時46分に起こりました未曾有の大災害の大災害によって、いまだ多くの人々が困難な生活を続けています。このたびに災害看護支援で私が見たのは、支援が十分に無いなかで地域住民や医療の知識が少しでもある人々が率先してリーダーシップをとり、住民同士が自助・共助している姿でした。
  私は、中学生への減災教育をこれまで4年間しており、お父さんお母さん、地域の自治会も巻き込んだ教育を実践しています。中学生は昼も夜もその地域で居住し、大人に負けないくらいの知力と体力が備わっています。中学生はこれからの災害の備えに関するキーパーソンです。
  今回の講座では、東日本大震災での看護実践で見えた現実から、私たちには今からどんな備えが必要で何ができ得るのか、これからの教育の中で行える減災教育とは・・・についてお話ししたいと思います。
 
PISA対策プロジェクトチーム会議報告書
2011-04-30
PISA対策プロジェクトチーム会議報告書が完成しました。

PISA報告書.pdf
 
「東日本大震災」による被災への支援を
2011-03-29
「東日本大震災」による被災への支援を
 
2011年3月29日

国民教育文化総合研究所
 
 2011 年3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖を震源とするM9.0の大規模な地震と未曾有の津波は、一度に多くの人びとの命、地域のくらしを奪いました。そして、被災地では、今も救援活動、また生活を取り戻すための復旧・復興活動に不眠不休でとりくまれています。

私たちは、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、まだ行方の知れない方々の一刻も早い発見を願っています。また、被災地域の避難所やご自宅で困難な生活をおくられていらっしゃる方々に心よりお見舞いを申し上げます。

さらに地震及び津波による福島第1原発の爆発と放射線漏れ・放射性物質の拡散という事態で生命を脅かされ屋内外避難し、今後の見通しがもてないまま、不安な生活を余儀なくされておられる方々のことを思うと心痛は極まりありません。

教育研究機関として活動している国民教育文化総合研究所(教育総研)は、この未曾有の大災害で犠牲になられた多くの子どもや教職員に哀悼の意をささげるとともに、避難所となった学校で多くの教職員が救援活動にあたられていることに敬意を表します。

教育総研はこれまで、平和・人権・環境を基調とし、地域と切り結ぶ教育の在り方を考え、提言してきました。その立場にたち、また阪神淡路大震災などでの経験に学びながら、教育総研は被災した子どもたちの心のケアにかかわる支援活動を行い、子どもたちの学習の場・教職員の働く場、そして防災拠点である学校の立て直しに最大限の支援ができるよう努めていく所存です。
 
第39回夜間公開講座 「現代を徘徊する『平均点』という化け物」
2011-01-13
第39回夜間公開講座のお知らせ

現代を徘徊する『平均点』という化け物

日時:2011年2月21日(月) 18:00~20:00
場所:日本教育会館 8階 第2会議室
         千代田区一ツ橋2-6-2 TEL 03-3230-2852(代表)
主催:財団法人 日本教育会館
後援:国民教育文化総合研究所
講演者:なだ いなだ さん(作家・精神科医)

◎入場無料
◎申込不要

「ミミズ三匹と、象二頭と、牛一〇頭と、ねこ4匹」「豚五頭とアリ一万匹と、ヘビ一〇匹」の平均を出して比較することに意味ありや。
ならば、「算数と国語と、英語と社会」の平均で順位を決めることに意味ありや否や。
モノサシは一つでいいか。
画素はある程度までは多いほどいい。画像がシャープになる。
ものさしもある程度多いほうがいい。多角的に見られる。深みが分かる。
それなのに、なぜ、センター試験などによるたった一つのモノサシで選抜が行われるようになったか。
経済もドルに依存しない方がいい。
世界も一つの超大国だけでない方がいい。
世界も英語一ヶ国語だけが支配しない方がいい。
歪んだ常識は正す努力が必要だ。正すというのは反対方向にぶれるということ。決して正しい方向があるわけではない。反対方向にぶれていれば、中庸に向かう。

いまこそ哲学が必要なときだ。
人間は、カントのいうような理性ではなく、常識哲学者のいう常識で判断している。
 
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